先日4月9日、JICA兵庫主催で「チリ地震復興支援調査報告会」が開かれた。予想以上にたくさんの方が参加しておられびっくりした。これも阪神・淡路大震災を経験した被災地KOBEならではの現象かもしれない。
さて同報告会には、地震後いち早く現地入りされたJICA国際協力専門員の石渡幹夫さん、国際緊急援助隊医療チーム先遣隊メンバー 富岡譲二さん、災害人道医療支援会(HuMA)の高田洋介さんの3名が登壇し、各々のご専門の立場で報告がなされた。
緊急援助隊については、政府が緊急援助隊医療チームを一旦派遣を決めたが、チリ政府の意向を受けて取りやめたことが話題になっているが、確かに難しい判断になるでしょう。相手国の要請がなければ入れないが、待っていると72時間というゴールデンタイムは過ぎてしまう。そもそも今回のような地球の裏側の場合は、わざわざ日本から派遣する必要があるかなど議論の余地はある。ただ、何よりもいのちは大事だ!というのは誰もが共有できることなので、良い智恵を編み出すしかないということか。
手前味噌で恐縮ですが、CODEの場合は今回ハイチ地震のあとすぐさまメキシコのNGOを派遣し、緊急時の一定の役割を終えたと思う。まずは日本から行かなくても、こうして近くにいる彼との調整で現地調査に入ることができれば、最低限の仕事はできる。政府も、被災地があまりにも遠い場合は、まず近くの大使館から派遣するとか、可能ではないかというアイデアもすでに同報告会で出されていた。
ところでチリ地震の被害については、チリ政府は途中で下方修正された。被害が少ないことはよいことだ。どうも、チリという国は先進国の一つでもあるので、事前の備えが徹底していたり、建築基準法で耐震基準がしっかり守られていたという話しもある。
ただ報告を聞いていると、地震のエネルギーを表すマグニチュードは8・8と大きい。しかし、窓ガラス一枚も割れていないビルが少なくないというのだ。この現象には驚く。地震のエネルギーと揺れとは別だということだが、いずれにしろ地震や津波のメカニズムと事前の備えとしての避難訓練や耐震基準などについて、むしろこういう機会に徹底して調査をさせていただいて、今後の地震・津波災害に生かせるのではないかと提案したい。
2010年04月15日
2010年04月14日
チリ地震救援レポート13
2月27日に起きたチリ地震から約1ヶ月半が経過しました。
南半球にあるチリはこれから冬に向かいます。
被災地である中部、サンティアゴでは気温が0度近くまで下がることもあり、また、降水は主に冬(6〜8月頃)に集中しています。
37万軒の家屋が被災したとの情報もあり、寒さや雨をしのぐためのシェルター支援を行う団体もあるようです。
各支援団体のこれまでの活動状況をまとめます。
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<ピックアップ情報>
●ADRA、冬が近づくチリで被災者5000人にシェルターを提供
(ADRA International)
チリで冬に先駆けて降り始める雨に備えてADRAは、中部の海岸地方の家を失った約5000人の住民のために、半久的なシェルターを建築し、上下水へのア クセスを改善すると、団体事務局が報じた。
ADRAチリのJorge Alé氏によると、この新しいプロジェクトは、140万ドル(約1億3000万円)の見積りで2010年9月に終わる予定で、やって来る冬の間のシェル ターを世帯に提供するだけでなく、生き残った被災者自身が自分の家を建て、仕事に戻り、生活を始めるようにと計画されている。
続きは:CODE World Voice http://codeworldvoice.seesaa.net/article/146506021.html
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<各支援団体の活動状況>
●AMDA (3月18日時点)
http://amda.or.jp/
被災地地元の医療機関から協力を得て、乳児支援プロジェクトを実施。
17日までに配布する物資をサンティアゴなどで調達、19日からの配布と、
乳児健康診断の実施を予定。
●ネットワーク『地球村』(3月1日時点)
http://www.chikyumura.org/fund-raise/international/2010/03/01-111657.html
http://www.chikyumura.org/ (団体ページ)
募金募集開始。既にAMDAに100万円を寄付。
●ADRA(3月15日時点)
https://www2.charity-platform.com/navi_view.php?id=374&page_state=tab5
http://blog.canpan.info/adrajapan/category_16/
*Facebookでtwitterでフォロワー募集中。
被災者家族を対象に1,480食料セットと以下の生活用品を3月4日より配布
毛布2000枚、マットレス400枚、家族用テント200張、衣類50包以上(多数)。
●グッドネーバーズ(3月16日時点)
http://www.gnjp.org/
3月12日と3月13日、チリのタルカワノ地域の2,000世帯約10,000人余りを
対象に食糧および生活必需品を緊急支援。
● ハビタット(3月16日時点)
http://www.habitatjp.org/
ハビタットは、震災直後から調査チームを組織、サンティアゴ、タルカ、プエルト・サヴェドラ、ロス・アンゼルス、テムコ、クレプト、グレコにおいて、被災の程度やニーズに関する調査を実施。
これら調査結果に基づき、緊急支援を開始。タルカでは緊急用テントの配布、36軒の住居建築を計画しているクレプトでは瓦礫の撤去作業が進められている。
●HuMA(3月18日時点)
http://www.huma.or.jp/activity/chile2010.html
ジャパン・プラットフォーム(JPF)およびICA文化事業協会(ICAジャパン)と協力して、
この地震の被害による医療施設、住民の生活環境および必要な支援について調査をするために初動調査チームを派遣。
2名が3月10日〜3月18日までの9日間、現地で情報収集。
●ICA(特定非営利活動法人ICA文化事業協会)
http://www.icajapan.org/icajapanj/newsJ.html
募金募集開始。3月5日より現地の調査を開始し、初動食料支援を行う予定。
● 特定非営利活動法人ジャパン・プラットフォーム(3月26日時点)
http://www.japanplatform.org/top.html
チリ地震被災者に対して、以下の枠組みで支援を実施することを決定。支援期間3か月、支援規模 5千万円。
HuMAに助成、ICAとジャパン・プラットフォーム合同で物資配布済み。
●国境なき医師団(3月23日時点)
http://www.msf.or.jp/
特に心理ケアを優先。また、夜間の冷え込みと雨量が増す中、
家が破壊され屋外でキャンプ生活をすることの多い住民を対象に
ビニールシートと毛布の配布も急いでいる。
●ピースウィンズジャパン(3月4日時点)
http://www.peace-winds.org/
募金募集開始。JPFの一員としてスタッフを送る予定だったが、いったん見合わせ。
● セーブザチルドレン(3月31日時点)
http://www.savechildren.or.jp/
チャイルド・フレンドリー・スペース(CFS)で子どもたちをケアするボランティアの研修を行っている。既に行っているシェルター、水、衛生キットの配布活動をチリ政府と協働して引き続き続ける。
● ワールドビジョン(3月10日時点)
http://www.worldvision.jp/
2万5千人に対し支援物資配布。
3月7日(日)、コンセプシオンから約65キロ離れた町、ディチャトにチャイルド・フレンドリー・スペース(以下CFS)を開設。100人の子どもたちを収容するスペースがあり、心理学者、教育者が活動を管理する。
●国際赤十字(3月25日時点)
国際赤十字は3月10日に緊急アピール額をおよそ11億2,000万円に増額すると発表し、今後1年間で救援物資の配付や仮設住居の支援のほか、予防のための地域保健事業、生計再建事業、災害対策事業を行っていく。
●日本赤十字社(3月25日時点)
http://www.jrc.or.jp/
日本赤十字社が派遣した基礎保健ERU(緊急対応ユニット)の立ち上げを行った
日赤チームは約2週間の活動を終えて3月24日に帰国。
被災者への直接的な医療活動ではなく、被災したサン・ホセ病院の入院病棟機能を補填することが目的。大型テント、発電機、照明器具、ベッド、外科・内科診療・母子保健に必要な医療器具(約10.3t)と医薬品(1t)などを現地へ輸送し、病院スタッフと日赤チームが協働してテントの立ち上げや医薬品の整理を行った。
南半球にあるチリはこれから冬に向かいます。
被災地である中部、サンティアゴでは気温が0度近くまで下がることもあり、また、降水は主に冬(6〜8月頃)に集中しています。
37万軒の家屋が被災したとの情報もあり、寒さや雨をしのぐためのシェルター支援を行う団体もあるようです。
各支援団体のこれまでの活動状況をまとめます。
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<ピックアップ情報>
●ADRA、冬が近づくチリで被災者5000人にシェルターを提供
(ADRA International)
チリで冬に先駆けて降り始める雨に備えてADRAは、中部の海岸地方の家を失った約5000人の住民のために、半久的なシェルターを建築し、上下水へのア クセスを改善すると、団体事務局が報じた。
ADRAチリのJorge Alé氏によると、この新しいプロジェクトは、140万ドル(約1億3000万円)の見積りで2010年9月に終わる予定で、やって来る冬の間のシェル ターを世帯に提供するだけでなく、生き残った被災者自身が自分の家を建て、仕事に戻り、生活を始めるようにと計画されている。
続きは:CODE World Voice http://codeworldvoice.seesaa.net/article/146506021.html
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<各支援団体の活動状況>
●AMDA (3月18日時点)
http://amda.or.jp/
被災地地元の医療機関から協力を得て、乳児支援プロジェクトを実施。
17日までに配布する物資をサンティアゴなどで調達、19日からの配布と、
乳児健康診断の実施を予定。
●ネットワーク『地球村』(3月1日時点)
http://www.chikyumura.org/fund-raise/international/2010/03/01-111657.html
http://www.chikyumura.org/ (団体ページ)
募金募集開始。既にAMDAに100万円を寄付。
●ADRA(3月15日時点)
https://www2.charity-platform.com/navi_view.php?id=374&page_state=tab5
http://blog.canpan.info/adrajapan/category_16/
*Facebookでtwitterでフォロワー募集中。
被災者家族を対象に1,480食料セットと以下の生活用品を3月4日より配布
毛布2000枚、マットレス400枚、家族用テント200張、衣類50包以上(多数)。
●グッドネーバーズ(3月16日時点)
http://www.gnjp.org/
3月12日と3月13日、チリのタルカワノ地域の2,000世帯約10,000人余りを
対象に食糧および生活必需品を緊急支援。
● ハビタット(3月16日時点)
http://www.habitatjp.org/
ハビタットは、震災直後から調査チームを組織、サンティアゴ、タルカ、プエルト・サヴェドラ、ロス・アンゼルス、テムコ、クレプト、グレコにおいて、被災の程度やニーズに関する調査を実施。
これら調査結果に基づき、緊急支援を開始。タルカでは緊急用テントの配布、36軒の住居建築を計画しているクレプトでは瓦礫の撤去作業が進められている。
●HuMA(3月18日時点)
http://www.huma.or.jp/activity/chile2010.html
ジャパン・プラットフォーム(JPF)およびICA文化事業協会(ICAジャパン)と協力して、
この地震の被害による医療施設、住民の生活環境および必要な支援について調査をするために初動調査チームを派遣。
2名が3月10日〜3月18日までの9日間、現地で情報収集。
●ICA(特定非営利活動法人ICA文化事業協会)
http://www.icajapan.org/icajapanj/newsJ.html
募金募集開始。3月5日より現地の調査を開始し、初動食料支援を行う予定。
● 特定非営利活動法人ジャパン・プラットフォーム(3月26日時点)
http://www.japanplatform.org/top.html
チリ地震被災者に対して、以下の枠組みで支援を実施することを決定。支援期間3か月、支援規模 5千万円。
HuMAに助成、ICAとジャパン・プラットフォーム合同で物資配布済み。
●国境なき医師団(3月23日時点)
http://www.msf.or.jp/
特に心理ケアを優先。また、夜間の冷え込みと雨量が増す中、
家が破壊され屋外でキャンプ生活をすることの多い住民を対象に
ビニールシートと毛布の配布も急いでいる。
●ピースウィンズジャパン(3月4日時点)
http://www.peace-winds.org/
募金募集開始。JPFの一員としてスタッフを送る予定だったが、いったん見合わせ。
● セーブザチルドレン(3月31日時点)
http://www.savechildren.or.jp/
チャイルド・フレンドリー・スペース(CFS)で子どもたちをケアするボランティアの研修を行っている。既に行っているシェルター、水、衛生キットの配布活動をチリ政府と協働して引き続き続ける。
● ワールドビジョン(3月10日時点)
http://www.worldvision.jp/
2万5千人に対し支援物資配布。
3月7日(日)、コンセプシオンから約65キロ離れた町、ディチャトにチャイルド・フレンドリー・スペース(以下CFS)を開設。100人の子どもたちを収容するスペースがあり、心理学者、教育者が活動を管理する。
●国際赤十字(3月25日時点)
国際赤十字は3月10日に緊急アピール額をおよそ11億2,000万円に増額すると発表し、今後1年間で救援物資の配付や仮設住居の支援のほか、予防のための地域保健事業、生計再建事業、災害対策事業を行っていく。
●日本赤十字社(3月25日時点)
http://www.jrc.or.jp/
日本赤十字社が派遣した基礎保健ERU(緊急対応ユニット)の立ち上げを行った
日赤チームは約2週間の活動を終えて3月24日に帰国。
被災者への直接的な医療活動ではなく、被災したサン・ホセ病院の入院病棟機能を補填することが目的。大型テント、発電機、照明器具、ベッド、外科・内科診療・母子保健に必要な医療器具(約10.3t)と医薬品(1t)などを現地へ輸送し、病院スタッフと日赤チームが協働してテントの立ち上げや医薬品の整理を行った。
2010年03月20日
チリ地震救援レポート12
引き続き、チリに入って活動をされているHuMA(災害人道医療支援会)のスタッフからの現地報告(3月14日)をご紹介します。
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(3月14日)
タルカを8時に出発し、コンセプシオンに向かいました。道中の高速道路は一部改修工事のため、上り線を封鎖して下り線と対面通行にするなどの対応がされていますが、概ねスムーズに走れました。約200kmの道のりを3時間程度で走行することができ、T先生が調査していた時期よりも格段に交通事情が改善しています。ドライバーは震災直後に日本の新聞記者をのせてコンセプシオンに入っており、当時の状況を知っていますが、かなり瓦礫などが撤去され、道は整備されたと言っています。道路の状態で政府機能を言うには適切ではないかもしれませんが、少なくとも海外からの支援を受けないと道路が整備できないような状態ではないことは確かです。
11時過ぎにコンセプシオンに到着し、ホテルにチェックインした後、さっそく市内の視察を行いました。建物の被害は全体の割合からいうと3割程度ではないでしょうか。クラックすら入っていないきれいな建物もあります。しかし損傷が激しい建物もあります。基本的には鉄筋が入っていないレンガ造りのものばかりが崩れておりました。しかし先月完成したばかりのマンションが一つ倒壊しておりました。
ホテルに戻った後、ICAチリで研修を受けたteleton(小児リハビリセンター)コンセプシオンのスタッフと面会しました。一応、teletonの状況を聞きましたが、この施設は機能しており、外部からの支援を必要としておりません。本人もそのようにいっておりました。実は、彼が持つ通行証がタルカワノなどへ行くときに必要になるのでHuMAと合流しました。昼食後、津波被害が大きかったタルカワノ(Talcahuano)に行きました。ここはコンセプシオンと同じ海岸線の北西に位置する半島にあり、湾(内海)に面している街です。大型の貨物船などが入ることができる港町です。津波で大量のコンテナが流されビルが壊れる被害が出ていましたが、今は撤去されておりコンテナはありませんでした。タルカワノに来て感じたのは、津波の被害を見に来る人たちが多いことです。みんなカメラやビデオカメラを持っており、観光しているようにも見えましたが、インタビューをしてみると、ほとんどは、コンセプシオン在住の人で、タルカワノの被害がひどいと聞いたので見に来たと言っており、それを確かめるために訪れておりました。
その後カレタトゥンベス(caleta tumbes)という、タルカワノよりもさらに北にある漁港に行きました。イワシなどの漁をしていました。海岸線沿いに家が立ち並び、津波の被害を受けていました。ここではレンガ造りの家は跡形もありませんでした。しかし木造の家はガラスすら割れていない家もあり、それがレンガ造りの家と隣接している興味深い状況でした。インタビューでは津波は地面からの高さ70センチぐらい(海面から数メートル)だったとの証言がありましたが、建物の2階部分まで激しく変形している木造住宅もあり、数十メートルの離れただけで住宅被害に大きな差があるようでした。レンガ造りの家に住んでいた人に聞くと、家は地震には何とか持ちこたえたけど、津波で完全に破壊されたと言っていました。また、現在は親類の家に住んでいるが、漁に出ても魚を揚げる所(市場?)が潰れてしまっているため困っており、どうすればいいのか途方に暮れていると言っていました。 食糧と水は配給で、トイレは穴を掘ってしていますが、同様に薬剤で処理をしていました。暖房は無く夜はとても寒いですが、風邪をひくなど、体調の悪い人はおらず、定期的に巡回診療が入っておりました。HuMAの活動としてテント村を巡回診療することを考えましたが、あえて日本から行かなくても既存の資源で賄っておりました。
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(3月14日)
タルカを8時に出発し、コンセプシオンに向かいました。道中の高速道路は一部改修工事のため、上り線を封鎖して下り線と対面通行にするなどの対応がされていますが、概ねスムーズに走れました。約200kmの道のりを3時間程度で走行することができ、T先生が調査していた時期よりも格段に交通事情が改善しています。ドライバーは震災直後に日本の新聞記者をのせてコンセプシオンに入っており、当時の状況を知っていますが、かなり瓦礫などが撤去され、道は整備されたと言っています。道路の状態で政府機能を言うには適切ではないかもしれませんが、少なくとも海外からの支援を受けないと道路が整備できないような状態ではないことは確かです。
11時過ぎにコンセプシオンに到着し、ホテルにチェックインした後、さっそく市内の視察を行いました。建物の被害は全体の割合からいうと3割程度ではないでしょうか。クラックすら入っていないきれいな建物もあります。しかし損傷が激しい建物もあります。基本的には鉄筋が入っていないレンガ造りのものばかりが崩れておりました。しかし先月完成したばかりのマンションが一つ倒壊しておりました。
ホテルに戻った後、ICAチリで研修を受けたteleton(小児リハビリセンター)コンセプシオンのスタッフと面会しました。一応、teletonの状況を聞きましたが、この施設は機能しており、外部からの支援を必要としておりません。本人もそのようにいっておりました。実は、彼が持つ通行証がタルカワノなどへ行くときに必要になるのでHuMAと合流しました。昼食後、津波被害が大きかったタルカワノ(Talcahuano)に行きました。ここはコンセプシオンと同じ海岸線の北西に位置する半島にあり、湾(内海)に面している街です。大型の貨物船などが入ることができる港町です。津波で大量のコンテナが流されビルが壊れる被害が出ていましたが、今は撤去されておりコンテナはありませんでした。タルカワノに来て感じたのは、津波の被害を見に来る人たちが多いことです。みんなカメラやビデオカメラを持っており、観光しているようにも見えましたが、インタビューをしてみると、ほとんどは、コンセプシオン在住の人で、タルカワノの被害がひどいと聞いたので見に来たと言っており、それを確かめるために訪れておりました。
その後カレタトゥンベス(caleta tumbes)という、タルカワノよりもさらに北にある漁港に行きました。イワシなどの漁をしていました。海岸線沿いに家が立ち並び、津波の被害を受けていました。ここではレンガ造りの家は跡形もありませんでした。しかし木造の家はガラスすら割れていない家もあり、それがレンガ造りの家と隣接している興味深い状況でした。インタビューでは津波は地面からの高さ70センチぐらい(海面から数メートル)だったとの証言がありましたが、建物の2階部分まで激しく変形している木造住宅もあり、数十メートルの離れただけで住宅被害に大きな差があるようでした。レンガ造りの家に住んでいた人に聞くと、家は地震には何とか持ちこたえたけど、津波で完全に破壊されたと言っていました。また、現在は親類の家に住んでいるが、漁に出ても魚を揚げる所(市場?)が潰れてしまっているため困っており、どうすればいいのか途方に暮れていると言っていました。 食糧と水は配給で、トイレは穴を掘ってしていますが、同様に薬剤で処理をしていました。暖房は無く夜はとても寒いですが、風邪をひくなど、体調の悪い人はおらず、定期的に巡回診療が入っておりました。HuMAの活動としてテント村を巡回診療することを考えましたが、あえて日本から行かなくても既存の資源で賄っておりました。
2010年03月19日
チリ地震救援レポート11
引き続き、チリに入って活動をされているHuMA(災害人道医療支援会)のスタッフからの現地報告(3月13日後半)をご紹介します。
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( 3月13日・後半)
昼食後、タルカに駐留している軍のfield hospitalを視察しました。これはアポなしでしたが快く対応してくださいました。200m離れた公立病院の機能低下を補完する役割を担っており震災後5日目(3月3日)から稼働していました。ベッド数は24床、軍の医師は3名で(外科2整形外科1)公立病院から5名ほどの医師が加わって診療しています。主に外傷外科をしているとのことでしたが、公立病院の医師が加わったことで循環器疾患にも対応できるようになりました。看護師は常時2名が勤務しています。また看護助手は20名程度が勤務して言います。震災直後から1週間ぐらいまでは大変忙しく、複雑骨折や胸腹部の手術をこれまでに33件したそうです。現在は外科の27名の患者がおりますが、人工呼吸器を装着しなくてはいけないような重症患者がおらず、みな病棟テントで管理されておりました。外来患者もいますが、重傷者はおらず、精神的な部分での専門家による介入が必要な人が多いと言っていました。(テント内は見ていないので、不明な点はあります)
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( 3月13日・後半)
昼食後、タルカに駐留している軍のfield hospitalを視察しました。これはアポなしでしたが快く対応してくださいました。200m離れた公立病院の機能低下を補完する役割を担っており震災後5日目(3月3日)から稼働していました。ベッド数は24床、軍の医師は3名で(外科2整形外科1)公立病院から5名ほどの医師が加わって診療しています。主に外傷外科をしているとのことでしたが、公立病院の医師が加わったことで循環器疾患にも対応できるようになりました。看護師は常時2名が勤務しています。また看護助手は20名程度が勤務して言います。震災直後から1週間ぐらいまでは大変忙しく、複雑骨折や胸腹部の手術をこれまでに33件したそうです。現在は外科の27名の患者がおりますが、人工呼吸器を装着しなくてはいけないような重症患者がおらず、みな病棟テントで管理されておりました。外来患者もいますが、重傷者はおらず、精神的な部分での専門家による介入が必要な人が多いと言っていました。(テント内は見ていないので、不明な点はあります)
2010年03月18日
チリ地震救援レポート10
引き続き、チリに入って活動をされているHuMA(災害人道医療支援会)のスタッフからの現地報告(3月13日前半)をご紹介します。
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( 3月13日)
8時にSantiagoを出発し11時30分にTalca(タルカ)に到着しました。途中、橋が崩落しており、側道に回されるなど、高速道路はまだ復旧作業が続いています。T先生からの情報と比較すると、現在は、救援に向かう車はまばらで交通量そのものは震災直後と比べると減っているのかもしれません。また道路の復旧も進んでおり、スムーズに走ることができています。
ホテルに着いたのち、ICAチリの関連施設で17グループの会長の案内でタルカにある施設などを視察しました。最初に視察した のが、日本で言う特別養護老人ホームのようなところで、これをホスピスと呼んでいました。レンガを積み上げた古い建物で天井や壁が 崩落 しているところがたくさんありました。先日の大きな余震の際に、会長が寝泊まりしていた部屋の天井が崩れましたが、幸いけが人は出ませんでした。暗い部屋に天井から光が差しているのが印象的でした。ここの利用者は120名で、先日まで敷地内の簡易の天幕の中で生活しておりました。現在は市の体育館に避難していました。次にこの体育館を視察しました。認知症の方が多く寝たきり、車いす、歩行器など様々な活動レベルの方がおられました。6名の看護師が8時間交代で常時1名勤務しており、パラメディカルとよばれる看護助手が10名弱働いています。またボランティアの医学生もいるそうです。ジェネラリストの医師が週に1回、臨床心理士が月に1回来て、利用者のフォローをしていました。
現在の体育館は天井が高く、夜や明け方はとても寒いとのことでした。現在、流行性の感染症は認めませんが、今後、風邪などの流行が懸念されます。またハトが入ってくるため、その糞による汚染が懸念されておりました。同体育在のライフラインの状況は、電気・水、携帯電話はOKでした。ガスは平時からガスボンベを使用しており、ボンベの供給に問題はありませんでした。一般の電話はありますが、携帯電話の方がよくつながるので、使用していないとのことです。一応、下水道は機能していますが、トイレは一部壊れており、簡易トイレを使用していました。簡易トイレの汚物は消毒薬(ケミカルエリミネイションと言っていました。)を入れた後に、地中に埋めて処理をするので、汲み取りは行われておりませんでした。実際のところ、便器から物が溢れそうになっておりました…。これらの簡易トイレは知り合いの施設の方から借りており、自治体からの供給ではありませんでした。また、大型水槽がありましたが、これも購入したもので、供給ではありませんでした。食糧はSEREMIと一般企業からの供給を受けており、これに関しては充足しているようです。
その後、倒壊した家屋に住んでいた人たちが避難している仮設テントを視察しました。屋根付きバスケットコートの中に近隣住民が身を寄せ合って生活していました。偶然にもタルカの市立病院に勤める家庭医が男性看護師とともに当直明けでボランティア巡回診療を行っており、話を聞くことができました。彼はタルカ市17万人の健康を担当する責任者で、現在の診療の中で多いのは、埃が要因となっていると考えられる気管支炎や喘息だと言っていました。成人の間では、流行性の下痢は認めていませんが、小児の下痢は多いそうです。ガーゼや包帯などの医療資器材や寒さをしのぐシェルターが必要だと言っておりました。
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( 3月13日)
8時にSantiagoを出発し11時30分にTalca(タルカ)に到着しました。途中、橋が崩落しており、側道に回されるなど、高速道路はまだ復旧作業が続いています。T先生からの情報と比較すると、現在は、救援に向かう車はまばらで交通量そのものは震災直後と比べると減っているのかもしれません。また道路の復旧も進んでおり、スムーズに走ることができています。
ホテルに着いたのち、ICAチリの関連施設で17グループの会長の案内でタルカにある施設などを視察しました。最初に視察した のが、日本で言う特別養護老人ホームのようなところで、これをホスピスと呼んでいました。レンガを積み上げた古い建物で天井や壁が 崩落 しているところがたくさんありました。先日の大きな余震の際に、会長が寝泊まりしていた部屋の天井が崩れましたが、幸いけが人は出ませんでした。暗い部屋に天井から光が差しているのが印象的でした。ここの利用者は120名で、先日まで敷地内の簡易の天幕の中で生活しておりました。現在は市の体育館に避難していました。次にこの体育館を視察しました。認知症の方が多く寝たきり、車いす、歩行器など様々な活動レベルの方がおられました。6名の看護師が8時間交代で常時1名勤務しており、パラメディカルとよばれる看護助手が10名弱働いています。またボランティアの医学生もいるそうです。ジェネラリストの医師が週に1回、臨床心理士が月に1回来て、利用者のフォローをしていました。
現在の体育館は天井が高く、夜や明け方はとても寒いとのことでした。現在、流行性の感染症は認めませんが、今後、風邪などの流行が懸念されます。またハトが入ってくるため、その糞による汚染が懸念されておりました。同体育在のライフラインの状況は、電気・水、携帯電話はOKでした。ガスは平時からガスボンベを使用しており、ボンベの供給に問題はありませんでした。一般の電話はありますが、携帯電話の方がよくつながるので、使用していないとのことです。一応、下水道は機能していますが、トイレは一部壊れており、簡易トイレを使用していました。簡易トイレの汚物は消毒薬(ケミカルエリミネイションと言っていました。)を入れた後に、地中に埋めて処理をするので、汲み取りは行われておりませんでした。実際のところ、便器から物が溢れそうになっておりました…。これらの簡易トイレは知り合いの施設の方から借りており、自治体からの供給ではありませんでした。また、大型水槽がありましたが、これも購入したもので、供給ではありませんでした。食糧はSEREMIと一般企業からの供給を受けており、これに関しては充足しているようです。
その後、倒壊した家屋に住んでいた人たちが避難している仮設テントを視察しました。屋根付きバスケットコートの中に近隣住民が身を寄せ合って生活していました。偶然にもタルカの市立病院に勤める家庭医が男性看護師とともに当直明けでボランティア巡回診療を行っており、話を聞くことができました。彼はタルカ市17万人の健康を担当する責任者で、現在の診療の中で多いのは、埃が要因となっていると考えられる気管支炎や喘息だと言っていました。成人の間では、流行性の下痢は認めていませんが、小児の下痢は多いそうです。ガーゼや包帯などの医療資器材や寒さをしのぐシェルターが必要だと言っておりました。


